円安の幻想 2022 4 24

書名 「安いニッポン」が日本を大復活させる
著者 武者 陵司  WAC

 円安になれば、
輸出が拡大して経済繁栄するというのは、
昔話になってしまいました。
 10年以上前だったと思いますが、
1ドル80円の「異常円高」の時、
日本企業は海外に出て行ってしまいました。
 急激な円高で輸出は不利だと考えて、
国内の工場を閉鎖して海外に移転したのです。
 だから、円安になっても、
日本経済にはメリットは少なく、
資源や食糧の輸入を考えれば、
円高が望ましい状況になってしまいました。
 にもかかわらず、今後、
「望まない円安」が続くと思われます。
 貿易通貨であるドルは、
米国の利上げによって強くなっていくでしょう。
 一方、日本は、利上げどころか、
金融緩和の縮小も進まないので、
円は安くなっていくでしょう。
 しかし、外国から見れば、
ドルが強くなって円が弱くなるので、
「安い日本」と見えます。
日本進出のチャンスと考えるかもしれません。
 東京のランチは、すごく安い。
10ドル以下で美味しいものが食べられる。
 ニューヨークだったら20ドルから30ドルか。
訪日外国人が激増したのは、そういう理由です。
 ランチの値段が安いということは、
人件費も安いということを意味しています。
 職種によっては、
日本の給料は東南アジアよりも安いと言われています。
 日本は人件費が安いうえに、
日本人が勤勉であることを考えると、
多国籍企業が日本に工場を進出させるかもしれません。
 この際、逆転の発想で、
日本は人件費が安いことや、
勤勉であることを主張して、
世界から工場を誘致する作戦があると思っています。
 海外駐在から日本に戻ってくると、
日本は物価が安いという声が聞かれるようになりました。














































































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